概要 †
- 著者は,重要な文章は多少乱文でも許されると思いがちだが、読者は十分に推敲されていない文章を読むとき「著者は,この文章に書かれた内容をそれほど重要だと思っていないのだな」と感じる
- 綺麗に書かれていないと信用を失う。
- 自分はお前よりもこの分野に詳しく、この論文を落とすことができないのも知っておるという文章を書け。お願いします〜通してください〜って感じの文章を書くな
目次 †
参考 †
- yさんのまとめ
- 岡田さんの論文の書き方ページ
- 日本人が論文を通せない理由と対策
校正 †
全般 †
- 論理構造と文章構造は明確に対応づける必要がある。
- introと結語は膨らませて,結果は細い.ぼんきゅっぼん.
- どれだけ自分のやった僅かなことが,学際的に多方面に接地できるか,が勝負.
- タイトルを階層的につないでいく
- タイトル→章: やったことによる階層
- 章→節以下: 章の言葉を分解
- トピックセンテンスを適切に書く.また,そのファーストセグメントも重要.
- 1パラ2, 3文無いと気持ち悪い.
- 一つの段落は一つの主題を.一つの文は一つのことを.
- 階層的になってはいるものの、ここを意識して書く.
- 一つの文が長くなりがちなので,注意する.
- 章立て
- どこが自分でやったこと,考えたことなのかを明らかにする
- 自分でやったことと先行研究などは分離したほうがよい.(パラグラフ考えてるうちに勝手に分離するはず)
- なるべく章立てからやったほうがよい.というかそうじゃないとかけるわけがない.
- 章立ては短くなりがちなので,注意する
- きちんと章や段落を繋ぐ.道筋を示す.
- 章の間は,階層間のつなぎ.基本的は「〜のために…を述べる」とか「…を述べる.以上をもって〜を?することを目的とする.」みたいになる.
- 節の始めも,一番下の階層であっても,そこで何を述べるのかをまとめるべき.「〜は調べられてきた.そこで,〜をまとめる.」
- カッコの全角半角
Abst †
- アブストでは,論文の課題,方法,結果,意義を簡潔かつ具体的に(必要なら主要数値もいれ)まとめる.
Intro †
概要 †
- introは従来研究から演繹的に導き出せる背景
- 方法・結果・議論が予想できるものが理想的である.
- 必要な予測可能性は研究次第.探索的な研究はどうしても予想できないものになる.
- 目的に対して必要十分に書く.
- その研究の,どのレベルに着目したのか?を明文化する.
注意 †
- ロードマップは書かない.目的に対して必要な話ではない.
- 仮説は書かない.
- 他分野から引いてきて,このアイディアを…とかならOK.
- なるべくパラグラフ間で対比によって対応するように書く.
全てやっているものはない †
従来手法の特徴をn個の軸で表す.
いろんなことが出来た †
- いろんなことにできたことそのこと自体がすごいわけではない。びっくりしない。
- 今までは同一に扱えなかったものが,同一のプロトコルで扱えたからすごい.
その他 †
- アブストがない論文の場合には,introがabst代わりになる.
- そのような論文では,introの最後のパラグラフに「目的は〜とする.方法としては,〜することによる.その結果,〜を示唆した.」などと書く.
目的 †
- 従来手法を超えて,質的に違う何を見るのかを書く.
- 一読して伝わらなくなるので,「従来手法を超えた〜を」みたいなのはありえない.
- 穴がなかったので掘ります→なんで?→先行研究でそこに宝が埋まってたから→その目的じゃ先行研究知っている人じゃないとわからないよ.
結果 †
考察 †
- 結果を解釈する.
- 現象論が面白いならなくてもOK
- 考察のグレード
- 強い:引用してそれとの関係を述べる.
- 弱い:どういう意味かを述べる.
- 考察は,「〜により,…がどうしている」より,「〜が…をどうした」と「が」や「は」でつなげるとかっこいい
結論 †
- 基本は考察の要約
- 結論は,「考察のOR+抽象度を上げた意味づけ」
- 結論では,例えば手法を提案してあれもこれもできたことを言ったとしたら,「いろんなことに適用できる手法を作りました」となる.
参考文献 †
- 参考1 参考2 参考3
- 名前
- proceeding=予稿集=学会などの会議に出した論文集
- journal=学術雑誌
- article=論文誌中の論文
- incollection=本の中の一部
Conclusion †
- 結論は,結果をより一般化,抽象化したレベルで語る.やったことの羅列ではない.
- パラグラフは,
- 背景・目的・方法
- [結果x3→結論(一般化)] x N
- 展望
Tips †
使ってはいけない言葉 †
キャプション †
- 図のキャプションは下,表のキャプションは下.
- 基本英語.英語の論文に使いまわすことがあるので.
- まず単語.次に文章.
- 図の大きさに制限がある場合は,図の横なり左上になりに,A, Bなどを振る.
図とそれを指す文章 †
- 図を引いた言及は,定量的かつ最後に図の引用を持ってくるように.
- Fig. 1などを文頭に持ってくるのは慣習違反.
図へのこだわり †
- 大事.図から結果が出るので.徹底的にこだわる.他の論文から技術を学ぶ.
- 論文を書く前に,図の設計をするレベル.
技術論文 †
概要 †
良さ †
- 良い技術論文の必要条件
- 明瞭さ
- explicit: あいまいな単語を使わず、疑問の残らないくらいに精密に書く stated clearly and in detail, leaving no room for confusion or doubt.(x:improved performance, o:reduces waiting time)
- specific: 具体的に書く。つまり言葉・コンセプト・数字を明確に(x: assistance, o:assistance in testing the device)
- concisely: 簡潔に書く(in order to->to, it is apparent that->apparently, We newly developed->We developed)
- 1センテンス1アイデア、多くとも密接する2つ
- 名詞を特定する形容詞はなるべく削る(An x-ray imaging process was...This x-ray process...->後のx-rayはいらない)
- There isと従属節と名詞系+ofは使わない(There were several interesting findings including...->Interesting findings included)
- do, perform, makeは直接その動作を表す動詞を使う(performed temperature measurement->measured temperature, make an analysis->analyze)
- 受動態を使わない
- インパクト
- 「同じ時間で」「100倍良い」とかいう実験結果を示しても、たいていの場合には伝わらないので「10分の1の時間で」「10倍良い」結果を示すか「100分の1の時間で」「ほんのちょっと良い」結果を示す方が、聴衆的にはインパクトがあるらしい。
査読 †
論文査読 †
- 学術論文の審査システム
- Reviewerは無給のボランティア
- 依頼は知人と文献・リスト・キーワードから
- 査読者の条件
- 利害関係がない
- 街頭分野に通じている
- 匿名
- 守秘義務
- 評価は独立に
- 全て十分に揃った論文でなくてはならないと考えないように
- 「xxの説明を追加せよ」「xxの実験を追加せよ」という指摘は、一般的には「条件付採録」の条件としては好ましくない。
- 大きな変更妖精は,1回のやりとりでは無理
- 「他と矛盾しないように」とか,「実験を追加して,この結果がでればOK」などならギリギリ良い
匿名性 †
- Single-Blind Review
- Double-Blind Review
論文の読み方 †
- 査読は「あらさがし」ではない。生産的なコメントを心がける
- 「その論文は掲載する価値があるか、 もしなければどうすれば掲載する価値を持つか」コメントは,それを直せば掲載できるレベルで行う.
- 「その雑誌の想定読者が読んだ場合にどう思うか」
- 理解
- 冒頭に論文の要約を自分の解釈で書く(abstのコピペの査読は望ましくない)
- 論文の主題の学術的・技術的重要性を評価
- 構成・論理
- タイトルは内容を表しているか
- 章立ては論理的か、よりよい構成の提案
- 論文の主張は結果とマッチするか、飛躍はないか、過大でないか。
- 不足・不明瞭
- 根拠のわからない部分を指摘
- 理解のために足りない数式・図・情報
- 見やすさのための改善、誤字脱字の指摘
査読コメント †
- 査読コメントも著者と同時にエディタに読ませるつもりで
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