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動きと運動行為 †
- 把持に必要な要素
- 幾何的特性の抽出によるプリシェイピング
- 指の独立制御(触覚の度外視)
- F1が指の制御を担当
- F1が損傷で独立指制御不能
- しかし視覚情報を直接受け取れない→プリシェイピングは?
- F5がプリシェイピングを担当
- 研究技法
- 学習させて統制して特定のニューロン活動を計測
- 可能な限り自然な状況で広くニューロン活動を計測
- 運動ニューロンとしてのF5ニューロン
- F5ニューロンは運動行為をコード(運動行為を選択的にコード)
- 例:「食べ物をつかむ」をコード(右手でも左手でも口でつかんでも発火)、持つ、引き裂く、いじる…etc.
図2-1:情動による口の開閉や、単純な運動、違う目的の動作では無反応)
- F5ニューロンはプリシェイピングをコード(運動を選択的にコード)
- 例:精密把持、把握把持、強い把握把持、球のためのプリシェイピング、円柱のためのプリシェイピング
F5ニューロンの視覚-運動特性 †
- 実験条件
- 運動条件六つ
- 視覚条件三つ
- 暗い→サルが電気つける→視覚ありでリーチング
- サルに場所を覚えさせる→視覚なしでリーチング
- 暗い→サルが電気つける→視覚ありでリーチングしない
| 運動のみで発火 | 運動でも視覚でも発火 |
選択性なし | 1 | 1 |
選択性あり | 2 | 2☆ |
☆に注目すると、運動、視覚の両方で特異的な物体があるはず。
それは一致する?
- 運動選択性:視覚なしリーチングで、特定の形状の運動にのみで反応
- 視覚選択性:視覚ありリーチングなしで、特定の形状の視覚のみで反応
- 運動選択性と視覚選択性は一致!
AIPニューロンの視覚-運動特性 †
- F5と異なり
- 解剖学的に視覚情報と接続している
- 「視覚のみで発火」するニューロンが存在
図2-3(3種類のAIPニューロンの反応例)
F5, AIPニューロンの阻害 †
- F5とAIPのどちらかを、脳半球のみ不活化→影響調査
- ガンマアミノ酪酸(抑制性神経伝達物質)を活動させるムシモール
AIP | 反対側のみでプリシェイピング阻害。精密把持で顕著 |
F5 | 両側でプリシェイピング阻害。運動障害なし。 |
→F5は両手を制御
c.f. 頭頂間溝の側面前部の損傷で、人間でもプリシェイピング阻害(つかんだりいじったりすると活性化する部位)