数学
概要 †
- フーリエ級数,フーリエ変換,離散時間フーリエ変換,離散フーリエ変換の4種類(まとめ)について
参考 †
勉強メモ †
- 1-1
- フーリエ級数の係数a_kはcos(k2πt/T)などをかければ得られる.
- フーリエ級数は全ての周期関数に適用可能ではない
- フーリエ展開できるかどうかを判別するために,フーリエ級数の係数を求めなければならない.従って,未知関数fに対しては便宜的に展開するしかないので,=ではなく便宜等号〜で数式を結ぶ.
- フーリエ級数展開
- sin(θ)=(e^(jθ)-e^(-jθ))/2jなどによって,フーリエ級数は複素表示できる
- 三角関数の直交性は複素表示では複素共役の直交性に相当する.
- フーリエ級数展開をFS(Fourier Series):f->F_kと表記
- e^(jωkt)は,tと一緒に進んでいく螺旋になる.複素数平面-tにおいて,t軸を中心としてらせん状にk回反時計回りする.kが負だとk回時計回り.(だから正負を足すと実数になる)
- fが実数である条件から,F_kとF_{-k}は共役でないと螺旋が打ち消せない.
- 複素表示すると,F_kの絶対値が振幅,偏角が初期位相となる.
- 振幅スペクトルは偶対称で,位相スペクトルは奇対称となる
- 振幅の2乗をパワースペクトルと呼ぶ
- フーリエ級数展開とは,複素指数関数系を基底とした正規直交展開のこと
- フーリエ変換
- フーリエ級数展開の係数計算がフーリエ変換に対応する.
- 周期Tを無限大に飛ばす,と考えると周期関数が非周期関数になる.
- 周期Tには最も低周波の基本角周波数は2π/T.しかし,Tを伸ばすと,基本各周波数が低くなっていき,無限ともなるとスペクトルが連続になる.
- フーリエ変換を綺麗に見せたい場合(=1/2πの係数がつかないようにする)場合は,フーリエ逆変換に1/2πがつく.教科書に依っては1/sqrt(1/2π)とかが両方についている場合も.
- 矩形関数をフーリエ変換・フーリエ逆変換すると,sincになる.
- sincをsin(θ)/tとする場合が多いが,sinc=sin(πθ)/πtとする場合もある
- 「sinc と矩形はフーリエ変換対」と覚えておいて,例えば時間領域の sinc 関数のフ---例えばsincの積分は面倒なので,フーリエ変換が必要になったときには,変換対から逆算するほうが楽
- デルタ関数は高さ無限大で面積1.何かにデルタ関数をかけて積分するということは,その関数の瞬時値を切り出すことになる
- デルタ関数は∑と積分を繋ぐ
- イメージは,ギュッと圧縮したから線の高さが無限大に伸びる.これは無限の範囲を積分するか,一周期で積分をやめるかに相当している.
- デルタ関数\delta (t-t_1)をフーリエ級数展開すると.\( e^{-j\Omega t_1} \) となる.振幅は一様に1だが,位相の違いで時間シフトが現れる
- 周期信号は,普通の意味ではフーリエ変換が存在しない.無限大の計算が必要だし,デルタ関数の導入が必要.しかし,フーリエ級数展開は有限時間での積分なので,楽.
- 周期信号をフーリエ変換すると,フーリエ級数展開したときの \( F_k \) に比例した高さのデルタ関数が並ぶ
- 離散時間信号(伏線回収回なので再度読むべき)
- 時間を整数で=正規化時間で考える
- 「1 サンプル時間で何 rad 位相が進むか」を正規化角周波数[rad/sample](我々は \( \Omega \) みたいに大文字の変数を使う場合は非正規化周波数,\( \omega \) のような小文字の場合は正規化周波数ということにしている)
- 離散三角関数・複素指数関数は,常には周期的ではない.連続時間で考えたときにちょうど 1 周するような時刻がたまたま整数になっているときだけ,離散時間でも周期的になる.
- 離散時間の三角関数や複素指数関数は,角周波数を \( 2\pi \) 増やすと元の関数に戻る.(『おれは 角周波数を上げていたと思ったら いつのまにか元の関数に戻っていた』)
- 「周波数を離散化すると時間領域では周期的になる」「時間を離散化すると周波数領域では周期的になる=2πでもとに戻る所以」
- 離散信号の最速は角周波数π.離散時間信号だと $ \omega =
\pi\( のときが一番振動が速いってことだ.そこから \) 2\pi\( にかけてどんどん遅くなっていって直流に戻る=角周波数ってのは, \) -\pi\( ~ \) \pi$ の範囲だけを考えれば十分
- 離散時間フーリエ変換をz変換に由来して\( F(\omega) \)を\( \displaystyle F(e^{j\omega}) \)(5.19).連続時間フーリエ変換をラプラス変換に由来して,,\( \displaystyle F(j\Omega) \)と書くことがある.
- 離散時間のフーリエ変換は,短冊だと思って積分すれば良い(一つ目の考え方)
- 離散時間のフーリエ変換は,デルタ関数を掛けて積分すれば良い(2つ目の考え方)
- 離散フーリエ変換
- 時間と周波数は,片方離散化すると,もう片方は周期的になる→両方離散化すると,両方周期的になる!
- 離散フーリエ変換のおかげで,時間領域から周波数領域への変換が有限の数列から有限の数列への変換として扱えるようになった
- 時間領域で 1 周期あたり \( N \) 点からなる離散時間信号は,周波数領域でも 1 周期あたり \( N \) 点の離散周波数スペクトルになる.
- 時間領域で周期 \( N \) ってことは,基本角周波数が \( 2\pi/N \) なので,周波数領域では \( 2\pi/N \) 間隔で離散化される
- \( k \) が 0 から \( N \) まで増える間に,正規化角周波数は 0 から \( 2\pi \) まで変化するわけだが,その間で一番周波数が高いのはあくまで真ん中の \( \pi \) のところ
- 普通0からN-1で1周期としているが,これは連続時間の-πからπに相当し,N/2からN-1は連続時間で言う負の領域に相当
- いわゆるDFT, FFTに相当.DFTはO(N^2), FFTはO(NlogN)
- 4種類のフーリエ変換のまとめ
- フーリエ変換の性質(1): 時間シフトと周波数シフト(=変調)
- 時間シフト,周波数シフトしたものは複素指数関数をかけることで容易に変換対が計算可能
- フーリエ変換の性質(2): たたみこみと積 ― 線形時不変システムの入出力関係
- ともかく重要なのは,線形時不変システムは,その挙動をインパルス応答のみで完全に記述できるということ.インパルス応答hをシステムhということがあるくらい.
- 周波数領域での積は時間領域でのたたみこみになる.
- システム:関数から関数への写像(今は離散を想定)
- 線形時不変システムは楽(時不変=同じ波形を入れたらいつでも同じ波形が出てくる)
- 連続時間の「デルタ関数」は,離散時間の「単位インパルス信号」
- 線形時不変システムでは,出力=入力*インパルス応答h.
- 周波数領域では積になる.単位複素指数関数を入力とすると,出力=H*exp(iωn).つまり入力複素指数関数は,|H(ω)|倍∠H遅れされて出力される..\( x[n] \) を周波数成分に分解して考えると,周波数 \( \omega \) の成分 \( \omega) \) は \( H(\omega) \) 倍されて \( H(\omega)X(\omega) \) になる.これがあらゆる \( \omega \) について成り立つ
- 単位インパルス信号ってのは,あらゆる周波数成分を等しく含んでいる信号だったわけなので,それを解析することでシステムが全て分かる.
- フーリエ変換の性質(3): パーセバルの等式 ― 正規直交展開としてのフーリエ変換
- フーリエ級数展開は内積を (定数倍を除いて) 保存する→フーリエ級数展開はノルムを保存
- ノルムにいたってはただのピタゴラスの定理
|