履修
概要 †
- テキスト
- 量的研究法ー臨床心理学を学ぶ
- 第2部に,研究立案のガイドなどがある.
- 研究の方法論についての本.良い研究とは何か,良い研究の鑑賞など.
- 進行
- 毎週,感想・質問・要望を出してもらう土曜中にメール
- 件名は「心理統計学概論 (氏名)」でメール
- two wayな授業
0424 †
母集団とランダムサンプリング †
(1) 母集団を小さく設定すればランダムサンプリングも可能になると思いますが,母
集団が小さくなるほど価値の低い研究になりそうでジレンマがあります。
厳密性をど
こまで目指すべきなのでしょうか。
ノンパラメトリック法 †
(2) 母集団の正規分布を前提としないノンパラメトリックな検定方法は,正規分布を
前提とする他の検定方法と,原理的にどのように異なっているのでしょうか?
(3) もし通常の検定法とノンパラメトリック法の間で異なる結果が出た場合,どのよ
うに判断すればよいのでしょうか?
サンプルサイズ †
(4) サンプルサイズは最低どれくらいという基準があるのでしょうか。それがないと
したら,どのようにしてサンプルサイズを決めればよいのでしょうか。
有意水準 †
(5) 有意水準を 5%にするのはなぜでしょうか。
尺度の妥当性 †
(6) 併存的妥当性と収束的妥当性の違いは何でしょうか。 cf. テキストの pp.44-47
(7) 併存的妥当性,弁別的妥当性,収束的妥当性は,すべて基準関連妥当性に含まれ
るものと解釈してよいでしょうか。
構成概念妥当性や内容的妥当性についてもご説明
いただけるとありがたいです。(cf. テキストの pp.44-47,pp.144-145)
診断の正確さの評価 †
(8) 感度/特異度と陽性予測力/陰性予測力は,どのようなときにどの指標を使えば
よいのでしょうか。(cf. テキストの pp.45-47)
縦断データの分析における定常性の仮定 †
(9) 定常性の仮定はどのようにして検証できるのでしょうか。 cf. テキストの p.32)
(10) 研究例 2 の媒介モデルは,定常性の仮定をおかずに 2 時点のデータだけで検証することはできないのでしょうか。(cf. テキストの pp.35-36,pp.109-111)
パスモデル †
(11) 有意でないパスをモデルから削る/削らないの判断は,どのようにすればよい
のでしょうか。(cf. テキストの p.32,p.35)
欠損値への対応 †
(12) 脱落者が「なぜ脱落したか」という点について調べることはしないのでしょう
か。
(13) 欠損のメカニズムの仮定としての MAR(Missing At Random)について,もう
少し詳しい説明をお願いします。
(14) 欠損値に集団の平均や回帰予測値を代入する方法は,よくないのでしょうか。
0417 †
- 個に着目して結果の違いを更に説明する
- 宿題: 2-4章,土曜24時までに.
仮説と予測 †
- Q:仮説が予測と同じくらい具体的なほうが良い論文である,という印象がありますが,どうなのでしょうか。(cf. テキストの pp.54-55)
- 仮説は一般的→(具体的なデザイン)→予測
- 良い予測とは,良いデザインを包含している.
- 逸脱行動のメカニズム
- 思春による生理的変化による心理的葛藤が外在化(仮説)
- 男女で生理的発達の差があることを利用して,何とかする.
- 以下に工夫された,説得力のあるデザインを組むか?
- alternativeな仮説が思い浮かばないような予測,デザインがベスト
- STAP現象があると考えると最もきちんと説明できる,みたいな主張がある.他の仮説では説明できない.
量的研究と質的研究】 †
- Q:量的研究と質的研究を二者択一的に考えると,具体的にどのような点を見落としてしまうことになるのでしょうか。(cf. テキストの pp.8-10)
- 数学の問題を解く
- 読む→定理を知る→…など.
- 量的:点数,反応時間(いつ立式を始めたか)
- しかし,どうしてここでこの定理を使ったのか?などは,量的データから推測できるが,質的に聞いたほうが早い.
- 補完的役割にもなり得る
個への一般化 †
- Q:集団全体で見られる傾向が個に一般化できない場合もあるのでしょうか。その「程度」を評定する方法はありますか。(cf. テキストの pp.10-11)
- 一般化出来ないケースは多い.
- 集団で得た結論(こうしたらこうなる,こっちの薬がよく効く)
- 全員になりたつ
- 一部に成り立つ(90%にはA処方のほうがいいが,10%にはBのほうがいい)
- 誰にも当てはまらない
- 自転車に乗れるようになった時間分布.個に解釈不能
- 教科書AとBを勉強する時間.
- 集団では,やる子とやらない子が顕れる.
- 個人では,和が人の時間の限界にたどり着くと,A+B=kなる制限に基づく負の共変関係を示す.(もともとやる気の無い人は生の共変関係となる?)
- 必ず一部の可能性を考慮すること.(ゆとり教育vsつめこみ,共同学習vs個人教育)
- →人によってグループと個別と適合する人はいるのか?
- →どういう人がグループか個別に適合するのか?(個に着目して結果の違いを更に説明する)
- →性格?能力?社交性?
追試 †
- Q:追試研究は,必要性が言われている割に見かけることは少ないと感じるのですが,追試研究は実際行われているのでしょうか。(cf. テキストの pp.57-58)
- やられている.やるやらないと,publishされるかは別だが.
- 追試しないとサイエンスでは信頼性を失われるので,積極的にする
- 尺度を変えると,蓄積性がなくなってしまうので,寧ろ尺度は買えないほうが良い.
- 変えるなら,解釈を変えるべき.
- 同じテストを違う人でやると,結果が変わる.
- false-positive psychology: Flexibility in Data Collection and Analysis Allows Presenting Anything as Significant, Simmons, J.P. et al.(2011), Psych. Science
- 再現性は過大評価されている!
- 5%の手法を4種類使ったら,20%になってしまう!人をあとで追加すれば有意になってしまう.
- 分析します,という登録をする.など,解決方法が提案されている.
尺度の信頼性 †
- Q:尺度の再テスト信頼性は,検査の間にどれくらいの間隔をおけば良いのでしょうか。また,どれくらいの値が必要なのでしょうか。
- ものによる,計測する人による.
- 子供なら発達的要素もある,身長と脈拍で安定性に差がある.
- 一定+判断+ランダムエラー, と考える.トレンドはあるか?など.
- Q:既存の尺度を適用して,α=.6 以下の低い信頼性が得られた場合,そのまま使うべきでしょうか,それとも一部の項目を削除するなどして尺度を改変すべきでしょうか。
- 基本的には,変えるのは覚悟を持って変える.一回一回ちょこちょこ変えない.
- 統計データに対する過信,0.6という値も変動する.
検定と効果量 †
- Q: 検定で有意差があっても,効果量が小さいときは,どのように解釈・記述すればよいのでしょうか。また,N が小さくて有意差が得られなくても効果量としては大きいこともありますが,その場合はどうでしょうか。
- Q: 母集団分布が正規分布でない場合,通常の検定法などは使えないのでしょうか。
- (サンプルが正規分布が近い必要はない,母集団が正規分布である必要がある.)
- robustならばOK.あるいは,より頑健な方法を使う,など.
- 中央値を使うと,頑健になる.
- 両端を除外すると,頑健になる.
- ノンパラメトリックを使う
- ノンパラは,検定力や尺度の問題があるので,使い分ける.
- 何が正規分布なのかをきちんと把握していなければならない.
- ランダムサンプリングを意識していないとそうなる.(学校でてきつーに捕まえた人,の母集団は一体何か?)
- ランダムサンプリングはとにかく重要.ノンパラの前提にもなっている.
- Q: 母集団分布が正規分布かどうかを確認する方法はあるのでしょうか。
- ある.
- 問題として,サンプルが大きいと棄却されやすい.(Nが大きければ暴かれてしまう)
- 「男女の差は等しい」「相関0」「母集団が正規分布」→全部厳密には嘘.
- 検定は,ある基準からして異議申立てをする役割.
- Q たとえば身長と全国模試成績などは結果が出るプロセスは全く違うのに,なぜ両方とも正規分布になると言えるのでしょうか。そこにはどのようなメカニズムが働いているのでしょうか。
- 2項分布→正規分布(N->inf)
- 得点分布は,生徒の能力分布とテストの特性による.
- 要素が無数な独立要因があるばあいは,正規分布になりがち.
欠測値の処理 †
- Q: 実験や調査の途中で脱落者が生じた場合などの欠測値の補完法にはどのようなものがあるのでしょうか。(cf. テキストの p.23,p.37)
- MCAR: Missing Conpletely At Random
- 一個でも抜けている人を削っても,恣意性は入らない.
- でも,普通はついてこなくなった人が脱落する.
- MAR: Missing At Random
- 条件付きランダム
- 身長は答えてくれるけど,体重は答えたがらない.
- MNAR: Missing Not At Random
0410 †
ガイダンス †
- 研究の立案に心理統計を利用する.
- 研究
- リサーチクエスチョン→デザイン→データの収集,分析
- 統計学は分析の方法について提供する
- 統計についての理解がデザインに影響する!更には,リサーチクエッションにも影響する.
- 悩み
- 在る人は立派な問があるが,どういうふうに研究の形になるのかがわからない.
- 問もデザインも組めるんだけど,やっていることが1パターンしかない.深みがない←それしか知らないから
- この統計を使うデザインとは何か?なる頭の使い方もできるようになる.
自己紹介 †
宿題 †
- Read 序論,1, (2-4), 5章.履修する旨,バックグラウンド,学習の経験と統計を使用した経験.要望.質問.