概要 †
- ビジョンを持つことが大事
- この研究ができれば、〜ができる、と信じる!
- そう述べてお金を取ってくる!
- 自分で回す!
- 研究はリーダーシップ,開発はマネージメント.必要な資質が全然違う.
- 「そっちにいったら面白い、または成果がありそう」みたいリスクテイキングな決断が研究を回す.こういうのは開発にはない。
- 研究として成立することと役に立つことは完全に独立、というかたぶん負の相関
- モチベがない(正確には早期になくなる)手続きを断ち切るのが最優先
- 羽生善治「何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。」
目次 †
研究しない †
研究しなくなるまで †
- やりたいことを探すのがやりたい人なんてそうそういないと思うのだけど。
- 崖っぷちで全力疾走できる人は多くない。
研究しなくなってから †
どう研究させるか †
- 大体の人は、研究テーマがあれば普通に研究するのでは?
- めっちゃすごいメカのロボットを与えられて、制御してくださいとか、そういうのがあれば研究すると思う。
モチベーションを下げる人間にならないように †
- 不完全でも、こういう結果or拡張方向or応用方向があるよ、と言ってくれる。「もっとサーベイをしないとダメだよ」なんで言わない。
- とにかく投稿しろって先生が言ってくれるのが非常に嬉しい。というより、出すことが当然と先生が思っている。
- 今ある結果をよく見せる方法を一緒に考えてくれる。サーベイが足りていないからクソとか、結果が足りないとか、そういうことは言わない。
- あと投稿するまで、次の研究をするなと言ってきた。「次は何がしたい?」「手法を拡張したいです」「それはダメ。投稿の範囲を聞いている。」
いろいろ †
- 研究のモチベーション源泉
- 面白いことができる(自己実現)
- 役立つものを作る(自己実現)
- 研究できるようになりたい(自己実現)
- 役立つものを作って尊敬されたい(尊厳)
- ドクター、研究ってなんかすごい(尊厳)
- 好きにできる
- 予算について
- 欲望を持つことが大事.絶対欲しいと言い続けていれば,ちゃんともらえる
- 研究でやってはならないこと
- 自分の手で進める気になることをやる(精神的重荷にしかならない)
- 他の人のモチベを下げない
- サボらない
- 研究運営上のモチベの保ち方
- 何もやらないほうが得をする、という価値観を持たせてはならない
- なぜ僕がほかの組織で力を発揮できたか
- ロボコンはなぜ?→同調圧力、成長欲
- 研究室が成長を促す.前後にある計画と発表など.
- 「なんとなく入学してくる」が大事
- 「これがやりたい」という確固としたものがある学生ほど、理想と現実の間でミスマッチを起こす
- たまに、研究をしている途中で「自分は過去に誰かが明らかにした事実を知るのが好きなだけで、自分で新しいことを発見したいわけではなかったんだなぁ」と気づいてしまう人がいます。私はこれは不治の病だと思っています。一度消えてしまった研究に対する心の灯を再びつけるのは容易なことではありませんし、それが本人のためになるのかどうかもわかりません。
- ちなみに、こういった学生に向いている職業は結構たくさんあります。特許庁とか、研究を支援する機構などに就職するとこの手の人達は輝けると思います。
- 「人の役に立ちたい」「先生に褒められたい」など、外からの評価を基準にしては続かない。
他人の指摘 †
批判 †
- 真に受けない
- 研究で、周りの人にどう思われているだろうかというのはどうでもいい、という価値観を確立すべき。
- 成果が出ればいいし、無駄にコラボレーションする必要もないし、ロボットを使わないといけないなんて思わなくていい
「せっかくなんだからコラボレーション云々」 †
分野間リスペクト関係 †
- 基礎と応用が尊敬しあう関係が大事
- 大学として外部資金を多く稼ぐことが重要であることは疑いようがない。
- 外部資金を取れない分野の人が取れる人に感謝することは必要
- 取れる分野の人も取れない分野で教育研究する意義を認めて、お互いに敬意を持つことは必要。
- 眉をひそめてあんなの大学のやることじゃないなどと言い合うのは不毛。
アンチパターン †
- 論文報奨金制度があるとまず間違いなく論文の質は下がるとロシアに来てから確信している。実際、業績を小分けにして薄い内容の論文を早く出せとせっつく連中を駆逐するのに日々苦労している。ロシアでは若手の給料が不十分で、報奨金が実質生活費になってしまっている場合があり状況はさらに良くない。
國吉先生の個人的な体験 †
「学生時代からずっと、自分と着眼点を共にする研究はほとんどなく、心細かった」と語ります。しかし、「AIの研究をしようと思い始めた学部生の頃、図書館にあるAIや認知科学に関する本と学術論文を端から端まで全部読んだ。博士課程時代には人の行為を認識して模倣するロボットを作るために、視覚心理学の学術論文から哲学の本まで手当たり次第に読んだ。学会発表で「壮大だが、無謀」といわれても歯を食いしばって頑張った。すごく大変だったけれど、やがて、周りが「無理だ」というテーマの方が、誰も研究していないから挑戦しがいがあると分かった」と続けます。