[[数学]]

*概要 [#pa54551b]
-フーリエ級数,フーリエ変換,離散時間フーリエ変換,離散フーリエ変換の4種類([[まとめ>http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/yaruodsp/dft.html]])について

*参考 [#q1db4206]
-[[やるおのデジタル信号処理>http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/yaruodsp/fs.html]]


*勉強メモ [#t85357a4]
-1-1
--フーリエ級数の係数a_kはcos(k2πt/T)などをかければ得られる.
--フーリエ級数は全ての周期関数に適用可能ではない
--フーリエ展開できるかどうかを判別するために,フーリエ級数の係数を求めなければならない.従って,未知関数fに対しては便宜的に展開するしかないので,=ではなく便宜等号〜で数式を結ぶ.

-フーリエ級数展開
--sin(θ)=(e^(jθ)-e^(-jθ))/2jなどによって,フーリエ級数は複素表示できる
--三角関数の直交性は複素表示では複素共役の直交性に相当する.
--フーリエ級数展開をFS(Fourier Series):f->F_kと表記
--e^(jωkt)は,tと一緒に進んでいく螺旋になる.複素数平面-tにおいて,t軸を中心としてらせん状にk回反時計回りする.kが負だとk回時計回り.(だから正負を足すと実数になる)
--fが実数である条件から,F_kとF_{-k}は共役でないと螺旋が打ち消せない.
--複素表示すると,F_kの絶対値が振幅,偏角が初期位相となる.
--振幅スペクトルは偶対称で,位相スペクトルは奇対称となる
--振幅の2乗をパワースペクトルと呼ぶ
--フーリエ級数展開とは,複素指数関数系を基底とした正規直交展開のこと

-フーリエ変換
--フーリエ級数展開の係数計算がフーリエ変換に対応する.
--周期Tを無限大に飛ばす,と考えると周期関数が非周期関数になる.
--周期Tには最も低周波の基本角周波数は2π/T.しかし,Tを伸ばすと,基本各周波数が低くなっていき,無限ともなるとスペクトルが連続になる.
--フーリエ変換を綺麗に見せたい場合(=1/2πの係数がつかないようにする)場合は,フーリエ逆変換に1/2πがつく.教科書に依っては1/sqrt(1/2π)とかが両方についている場合も.
--矩形関数をフーリエ変換・フーリエ逆変換すると,sincになる.
--sincをsin(θ)/tとする場合が多いが,sinc=sin(πθ)/πtとする場合もある
--「sinc と矩形はフーリエ変換対」と覚えておいて,例えば時間領域の sinc 関数のフ---例えばsincの積分は面倒なので,''フーリエ変換が必要になったときには,変換対から逆算するほうが楽''
--デルタ関数は高さ無限大で面積1.何かにデルタ関数をかけて積分するということは,その関数の瞬時値を切り出すことになる
--''デルタ関数は∑と積分を繋ぐ''
--イメージは,''ギュッと圧縮したから線の高さが無限大に伸びる''.これは無限の範囲を積分するか,一周期で積分をやめるかに相当している.
--デルタ関数\delta (t-t_1)をフーリエ級数展開すると.$ e^{-j\Omega t_1}$ となる.振幅は一様に1だが,位相の違いで時間シフトが現れる
--周期信号は,普通の意味ではフーリエ変換が存在しない.無限大の計算が必要だし,デルタ関数の導入が必要.しかし,フーリエ級数展開は有限時間での積分なので,楽.
--周期信号をフーリエ変換すると,フーリエ級数展開したときの $ F_k$ に比例した高さのデルタ関数が並ぶ
--問題は,''フーリエ変換が収束しない関数ってのが結構多い''(定数関数とか,sin とか cos とか)基本的に,時刻 $ t$ を正の無限大とか負の無限大にしたときに 0 に近づかないような関数は収束させようがない.''特に指数関数が収束しないのは致命的''

-離散時間信号(伏線回収回なので再度読むべき)
--時間を整数で=正規化時間で考える
--「1 サンプル時間で何 rad 位相が進むか」を正規化角周波数[rad/sample](我々は $ \Omega$ みたいに大文字の変数を使う場合は非正規化周波数,$ \omega$ のような小文字の場合は正規化周波数ということにしている)
--離散三角関数・複素指数関数は,常には周期的ではない.連続時間で考えたときにちょうど 1 周するような時刻がたまたま整数になっているときだけ,離散時間でも周期的になる.
--離散時間の三角関数や複素指数関数は,角周波数を $ 2\pi$ 増やすと元の関数に戻る.(『おれは 角周波数を上げていたと思ったら いつのまにか元の関数に戻っていた』)
--「周波数を離散化すると時間領域では周期的になる」「時間を離散化すると周波数領域では周期的になる=2πでもとに戻る所以」
--離散信号の最速は角周波数π.離散時間信号だと  $ \omega =
\pi$ のときが一番振動が速いってことだ.そこから $ 2\pi$ にかけてどんどん遅くなっていって直流に戻る=角周波数ってのは,$ -\pi$ ~ $ \pi$ の範囲だけを考えれば十分
--離散時間フーリエ変換をz変換に由来して$ F(\omega)$を$\displaystyle F(e^{j\omega})$(5.19).連続時間フーリエ変換をラプラス変換に由来して,,$\displaystyle F(j\Omega)$と書くことがある.
--離散時間のフーリエ変換は,短冊だと思って積分すれば良い(一つ目の考え方)
--離散時間のフーリエ変換は,デルタ関数を掛けて積分すれば良い(2つ目の考え方)

-離散フーリエ変換
--時間と周波数は,片方離散化すると,もう片方は周期的になる→両方離散化すると,両方周期的になる!
--離散フーリエ変換のおかげで,時間領域から周波数領域への変換が有限の数列から有限の数列への変換として扱えるようになった
--時間領域で 1 周期あたり $ N$ 点からなる離散時間信号は,周波数領域でも 1 周期あたり $ N$ 点の離散周波数スペクトルになる.
--時間領域で周期 $ N$ ってことは,基本角周波数が $ 2\pi/N$ なので,周波数領域では $ 2\pi/N$ 間隔で離散化される
--$ k$ が 0 から $ N$ まで増える間に,正規化角周波数は 0 から $ 2\pi$ まで変化するわけだが,その間で一番周波数が高いのはあくまで真ん中の $ \pi$ のところ
--普通0からN-1で1周期としているが,これは連続時間の-πからπに相当し,N/2からN-1は連続時間で言う負の領域に相当
--いわゆるDFT, FFTに相当.DFTはO(N^2), FFTはO(NlogN)
--4種類のフーリエ変換の[[まとめ>http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/yaruodsp/dft.html]]


-フーリエ変換の性質(1): 時間シフトと周波数シフト(=変調)
--時間シフト,周波数シフトしたものは複素指数関数をかけることで容易に変換対が計算可能

-フーリエ変換の性質(2): たたみこみと積 ― 線形時不変システムの入出力関係
--ともかく重要なのは,線形時不変システムは,その挙動をインパルス応答のみで完全に記述できるということ.インパルス応答hをシステムhということがあるくらい.
--周波数領域での積は時間領域でのたたみこみになる.
--システム:関数から関数への写像(今は離散を想定)
--線形時不変システムは楽(時不変=同じ波形を入れたらいつでも同じ波形が出てくる)
--連続時間の「デルタ関数」は,離散時間の「単位インパルス信号」
--線形時不変システムでは,出力=入力*インパルス応答h.
--周波数領域では積になる.単位複素指数関数を入力とすると,出力=H*exp(iωn).つまり入力複素指数関数は,|H(ω)|倍∠H遅れされて出力される..$ x[n]$ を周波数成分に分解して考えると,周波数 $ \omega$ の成分 $ X(\omega)$ は $ H(\omega)$ 倍されて  $ H(\omega)X(\omega)$ になる.これがあらゆる $ \omega$ について成り立つ
--単位インパルス信号ってのは,あらゆる周波数成分を等しく含んでいる信号だったわけなので,それを解析することでシステムが全て分かる.

-フーリエ変換の性質(3): パーセバルの等式 ― 正規直交展開としてのフーリエ変換
--''フーリエ級数展開は内積を (定数倍を除いて) 保存する''→フーリエ級数展開はノルムを保存
--ノルムにいたってはただのピタゴラスの定理

-サンプリング定理
--興味なかったので飛ばした

-スペクトル解析
--サンプリング定理のエイリアシングを防ぐために,''アナログで''アンチエイリアスフィルタを用いて高域除去しなければならない
--DFTは周期関数を前庭にしている.従って,切り出した離散信号の最初と最後が連続的につながってこなければならないが,矩形窓だと不連続になって死ぬ.なので,窓関数がいる.


-デジタルフィルタ
--低域フィルタなど実現するシステムhを作りたい→そんなシステムを設計する方法は?
--そのシステムを通すことで,各周波数の成分がそれぞれどれだけ変化するかを表すのが周波数応答=インパルス応答の離散時間フーリエ変換
--DFT後の周波数領域を弄って逆変換するのは筋が悪い(窓関数を通していてよくわからないので)
--因果性:インパルス応答がt=0以降に反応する性質.そうでないとリアルタイムには設計不能.単位ステップ関数は因果性の場合分けを表している
--有限性:インパルス応答 (のうち 0 でない部分) の長さが有限のものを FIR (Finite Impulse Response) フィルタ(対義語はIIRフィルタ)
--IIRフィルタと等価なものを,過去の出力を再帰的に利用することで有限の手続きで計算できる場合がある→線形差分方程式を利用
--線形差分方程式→より広い範囲の線形時不変システムを実現することができる.そして,その表現はz変換を含んだ表現で実現可能.[[数式>http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/yaruodsp/dfbasic.html]]
--''線形差分方程式は連続ではラプラス変換,離散ではz変換によって解析できる''

-ラプラス変換
--フーリエはsin, cosをデルタ関数を導入しないと計算不能,定数関数と指数関数に関しては計算不能.(t->-inf, infで0に近づかないと計算できないので)
--ラプラス変換は収束性を上げるために
+++十分大きなcでe^{-ct}を掛けて+infを無理やり収束させた上
+++ステップ関数uを掛けて-infを全部0にしてしまうことで解決(微分方程式の初期値問題を考えている限りは,初期時刻より前はどうでもいいのでOK)
--そして,複素数  $ c + j\Omega $ を新しい変数 $ s$ と書いたのラプラス変換.つまり,sは定数で底上げされた''周波数領域''.
--フーリエ変換が振動要素の重ね合わせだとしたら,ラプラス変換は指数関数*振動要素の重ねあわせ
--ラプラス変換すると微分方程式が簡単に解けるのは,フーリエ変換すると微分方程式が簡単に解けるからであって,ラプラス変換は収束性を上げただけ.
--伝達関数とはインパルス応答のラプラス変換
--s=-2とか言っているが,sは十分大きくなきゃいけないはず…?
---ラプラス変換の公式の積分を計算した結果として  $ \frac{1}{s - a}$ が得られるのは, $ \mathop{\rm Re}\nolimits\{s\} > a$ の範囲だけだ.しかし, $ \frac{1}{s - a}$ の $ a$ と, $ e^{at}$ の $ a$ が対応しているという事実は,収束範囲とは何の関係もない.
---ラプラス変換の計算をするときは収束範囲を気にする必要する.
---ラプラス逆変換するときは積分経路を収束範囲内に取らないといけない.
---むつかしい!
--部分分数分解によって,「基本的な要素」へシステムを分解するのがラプラス変換の重要な目的
--微分の公式で初期値を引かなければならないのは,以下の事情による
+++ラプラス変換を通してから微分すると,ラプラス変換で切られたところでδ関数が入ってきてしまうから.
+++微分してからラプラス変換する場合は,ラプラス変換がなめらかなのでδ関数が入ってこない
--初期値による応答を零入力応答と呼ぶ.そうでないものを零状態応答
--線形システムの定義を少し緩めて「零入力応答と零状態応答のそれぞれが線形性を満たせばOK」と考えることが多い.そう考えた上で,式 (13.1) で表されるシステムが初期値を持っている場合でも,広い意味で線形時不変システムと呼ぶことにする.

-z変換
--二つの解釈
+++DFTにexp{-c}を掛けてuを掛けたもので,ここで  $ e^{c + j\omega}$ を新しい変数 $ z$ と置いたものが z 変換(ラプラス変換と同じ方法)
+++ラプラス変換にくし状関数を掛けてサンプリングしたものを突っ込んだもの
--$ s$ 領域で虚軸に平行な直線群は $ z$ 領域の同心円群に対応する
--微分方程式のときは,$ d/dt$ を指数関数  $ e^{j\Omega t}$ に作用させて $ j\Omega$ が出てきた
--差分方程式は,遅延演算子 $ D$ を指数関数  $ e^{j\omega n}$ に作用させることを考える.$\displaystyle D e^{j\omega n}$	$\displaystyle = e^{j\omega (n - 1)}$	(14.30) 	$\displaystyle = e^{-j\omega} e^{j\omega n}$	(14.31) やっぱり指数関数  $ e^{j\omega n}$ のまま, $ e^{-j\omega}$ 倍になるだけ
--''という風に 1 時刻の遅延は  $ e^{-(c + j\omega)}$ 倍に化ける''
--''$ X(s)$ に  $ s = j\Omega$ を代入して連続時間システムの周波数応答が得られたのと同様に, $ X(z)$ に $ z = e^{j\omega}$ を代入したものが離散時間フーリエ変換に一致する''
--すべての極が単位円の内側にあることが,BIBO 安定であることの必要十分条件
--,インパルス応答が以下の条件を満たせば安定の必要十分条件 $\displaystyle \sum_{n = -\infty}^{\infty} \vert h[n]\vert < \infty$
--z変換の直感的な奴が書いてあるのであとでみる
--$ z = e^s$ で,$ s$ 領域の左半平面は $ z$ 領域の単位円内に移される.さっきの話とぴったり符合している

--''z変換の周波数応答は,単位円をたどった値をとったもの''.従って,零極配置を見れば結構周波数応答がなんとなくわかる.

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