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*概要 [#gcb8589d]
-魚を捌く機会は少ないので、学びを最大化する努力に価値がある。
-[[覚えたい魚>https://docs.google.com/spreadsheets/d/1sh3a0vtOWThXMBI7BjzJy5jHIwPnfxdYzM1I7HpoGmA/edit#gid=0]]は意外と少ない。80 匹くらい。[[ポスター>https://www.maruha-nichiro.co.jp/contents/poster/]]
*目次 [#h2d64d77]
#contents
*解剖学 [#t1ec9fd8]
-頭〜エラ (頭骨)
--エラの上、背骨の関節に刃を入れると頭骨が割とポロッと取れる。
--頭骨は包丁で背骨を切るより、手でへし折ったほうが楽なことが多い
--エラは🐟の目に☽状に入っていて、☽の上は両目の裏、下は顎のところに両方ついている。この三点を外せば、基本的にはエラはひっぱるだけで取れる。
-エラ〜胸ヒレ (カマ)
--胸ヒレより少し肛門側から刃を入れる。
--エラの中心に向けて少し斜めに刃を入れると身が残りにくい
-胸ヒレ〜尾
*食用部位 [#afa46f41]
-身
-肝
--マダイや根魚(ソイ・メバル系、ハタ系、カサゴ系、ムツ系など)、マダラ、ヒラメ、ワラサ、ウマヅラ・ウスバハギ、カレイなど、多くの魚が肝を使った料理を楽しめます。
--内臓には寄生虫がいる可能性があるが、細かく叩いたり裏ごしすれば寄生虫は死ぬ(か入らない)
--肝の漬け(づけ)
---お刺身の漬けのように、肝を醤油ベースのタレに漬け込みます。そして取り出したら拭き取ってそのままおつまみに。最高の肴です。
--肝のカルパッチョ
--レバ刺し
---カルパッチョと同じようなものですが、塩とごま油でレバ刺しのようにいただけますよ。
--アラ汁、鍋、煮付け、ソテー、炊き込みご飯
---これらの定番魚料理も肝を一緒に料理するだけでコクや旨味が増す
--肝味噌
---細かく叩いた肝と味噌を混ぜて肝味噌を作ります。あと、お酒や味醂、醤油、青ネギなどはお好みで。
--できた肝味噌は魚の切り身に塗ってホイル焼き(一日肝味噌に漬け込んでも美味しい)にしたり、鍋の味付けに、そのままご飯のお供やお酒のおつまみに、と色々使えます。
--肝の酒蒸し
--あん肝もどき
-胃袋
--中が臭くなければ、頑張って下処理して茹でるとポン酢で食べられるようになる
-皮
--鯛とかブリとかは割と皮も食べられる。鱗が付いている可能性があるので、煮てから水で洗う
--茹でてポン酢
--唐揚げ
-卵巣
--煮付けにすると美味しい。七味唐辛子とかを用意するとよい
-精巣
--茹でてポン酢で食べるとおいしい。もみじおろしを添えて。
*料理アイディア [#h2d49303]
-生
--ポン酢
--しょうゆ
--タルタル
--手巻き寿司
--寿司
--軍艦巻き
--たたき
--にんにく・生姜・みょうが・ネギ
--紫蘇
--炙り
--藁焼き(比較的厚い柵はフライパンで四面焦がすなど)
--マヨキムチ
--マヨ醤油
--カルパッチョ
--漬け
--お茶漬け
--ごまだれ
--みそだれ
-煮
--アクアパッツァ
--鍋
--煮付け
--ブイヤベース
--カレー
--しびれ鍋
-出汁
--炊き込みご飯
--お吸い物
--リゾット
--パエリア
--スパゲッティ
--味噌汁
--煮こごりご飯
--お茶漬けの出汁
--鍋の出汁
--ラーメン
--スープ
--ブイヤベース
-揚げ
--フライ
--竜田揚げ
--フィッシュ・アンド・チップス
-焼き
--ホイル焼き
--塩焼き
--照り焼き
--ムニエル
-中華
--麻辣烤魚
--水煮魚
--大千干焼魚
--沸騰魚
-インド
--ハリヤリ
--フィッシュティッカ
--フィッシュラワ(南インドのマンガロール料理を調べるとよい)
--フィッシュタワ
--フィッシュタンドリー
--フィッシュビリヤニ
*余り物 [#r001b978]
-骨
--霜振りしてから流水で細かい鱗を採る作業が必要
--油で焼いたりオーブンで焼いてから、出汁を採ると美味しい
--きのこのリゾットとか、炊き込みご飯とか、味噌汁とか、スープパスタに出汁を使う
-煮付けの残りのしる
--ジップロックなどに入れて冷凍して、また煮魚を作る時に足して使うと美味しい。
--冷蔵庫で冷やすといわゆる「煮凝り」というやつ。熱々のご飯の上に煮凝りを載せて食べるとおいしい
--煮卵をこれで作る
--厚揚げとか豆腐とかを入れて煮る
--じゃがいもを残りのもので煮るとか。筑前煮の茶色成分として使う
*さばき方 [#ea6e5895]
**前提 [#t389e8fa]
-骨に身をなるべく残さず、鱗など汚れた箇所が可食部位に接触しないように肉だけを切り離すことが目的!
--したがって、捌く作業はほぼ解剖に近くなる。魚は骨格を理解していればさばけるようになる(逆も同様)。
-凍った魚はおろせないし危ない。必ず十分解凍すること。
-三枚おろし https://www.youtube.com/watch?v=n9T8eANYSfk&ab_channel=%E3%81%9B%E3%82%8A%E4%BA%BA%E3%83%A0%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%83%BC
--大名卸: 背骨が丸いことを無視して、背骨と中骨の間の魚の肉を諦める方法。アジの刺し身の歩留まり率40%
--両面卸:
---雑: カマを落とす時に、背びれから胸鰭の後ろまでまっすぐ落とす
---しっかり: 背びれから斜めに包丁を入れると、カマにつく肉を減らすことができる。血合い骨を完全に除去するのではなく、V字カットしたり、骨抜きすると、これでアジの刺し身の歩留まり率が50%に向上する。これが三枚おろしにおける大名おろしと両面卸の差。高い魚を扱うときにはこれを使うとよい。
-逆さ包丁
--ホウセキキントキなど、鱗取りで鱗が取れない魚もいる。皮がやたら厚くてぬめぬめしている魚もいる。このような場合、身の中から外の皮を切ったほうが楽な場合がある。
**分類 [#j6ea5a96]
-赤身魚 / 白身魚 https://youtu.be/Psvcm94vCUI
--青魚は水産学上の分類ではない
--赤身魚: アジ・サバ・サンマ・イワシ・サワラ
--白身魚: トビウオ・タチウオ・サーモン
-青魚: 要するに大衆魚って感じの分類であって、かなりいい加減な分類
--赤身魚: アジ・サバ・サンマ・イワシ
--白身魚トビウオタチウオは白身魚の青魚
--ブリやマグロも青いやんけと思うが、青魚ではない(大衆魚ではないので)
**特殊な料理 [#pd208d48]
-しめ鯖
--酢の入りすぎを防ぐために皮も腹骨も取らないで酢につける
--炙りも美味しい
--脂が合ったほうがおいしいので養殖がおすすめ
-タイのかまとかで鯛飯レシピ
--出汁だけ取れれば最悪良いので、出汁袋みたいなものに入れて骨が簡単に取れるようにしておくとよい
*実務 [#f98a6240]
-捌く前の魚は臭いので同居人に怒られる
-魚のゴミを生ごみに入れると高速に腐るので、冷凍してゴミ捨てする
**各論 [#s9973224]
-鱗
--魚の鱗は大きいのはしゃもじ、小さいのはかなだわし、硬いのは鱗かき
--ヒレとかはめちゃくちゃ尖ってて普通に刺さると痛いし雑菌で手がパンパンに腫れる可能性がある。必ずある程度マシな大きさのものを使い、持ち手はなるべく魚から離れた部分を持つこと。
||||h
|三枚おろし|魚@あるならぜいごを取る@鱗を取る@ヒレを取る@胸ヒレから20度の角度でカマのガイドラインを付ける@カマを取る@表背の皮目だけガイドラインを切ってから背骨まで刃を入れる@表腹の皮目だけガイドラインを切ってから背骨まで刃を入れる@身を持ち上げて背骨の上の肉にガイドラインを入れる@表の身を剥がす@腹骨と血合い骨の間を逆さ包丁で分離する@腹骨を腹骨を手で抑えながら垂直にすいて剥がす@血合い骨を外す@皮を取る|目的: 骨になるべく身をつけず、衛生に気をつけながら、骨のない可食部を用意する。骨になるべく身をつけないことが大事なので、解剖をするイメージで、骨格のイメージをきちんと持ちながら、丁寧にさばくことが重要。また、鱗・内臓などに触れた包丁・まな板と、可食部が接触しないように、こまめにまな板を拭くことが重要。基本は背腹腹背の順で身を離す。背骨が高い魚は背骨の山頂は身を持ち上げて落としたほうが良さそう|
|熟成|(魚@鱗を取る@頭を取る@内臓を取る@ヒレを取る@水を拭く@キッチンペーパーでくるむ@1~2日ごとにキッチンペーパー交換@氷水に浮かべて冷蔵庫で7日程度保存する)|目的: タンパク質を分解させて旨味を出す、脂を身に回らせてとろっと口の中でなくなる食感にする。見た感じやはり7から20にちの熟成が多いっぽい氷で埋まってれば20日でも身はピンピンだが、冷蔵庫だと見がクタクタになっちゃうでしょう。血合いは黒くなる https://www.youtube.com/watch?v=go4WQq_FPtU 真空にしたい。これは酸化防止。鱗と内臓を取ってから。氷水にドリップが出るので1,2,4,6日目にペーパーを変えるといいらしい https://www.youtube.com/watch?v=fcdPmZZ4mWg|
*衛生 [#r7ac1f4e]
-鱗や皮が付着したまな板に絶対に身を接触させない
--まな板を2つ用意し、生食用まな板とそうでないまな板を必ず用意する。
-https://fish-beginner.com/2018/04/15/fish-freshness
--目の色より、目のハリや凹みを見るほうが本質的。氷に入れると新鮮でも目は白くなる。
-細菌
--https://youtu.be/2m566K1hzqM 7日間熟成の菌の検査。お客さんにも出してる
--内臓・ヒレ・鱗を取って、まな板の除菌をきちんとして、氷水で保存すればあまり問題が発生しない
--食品衛生規範に基づく細菌学的規格で、細菌、ecoli、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオが増殖してなければオーケー
---最近は細菌は100万/g
-[[淡水の魚・エビなどは生で食べてはならない>https://www.youtube.com/watch?v=nMqjAFGLAQc&ab_channel=%E5%8C%BF%E5%90%8D%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E9%9B%91%E5%A4%9A%E3%81%AA%E9%9B%91%E5%AD%A6]]
--海水の魚は、「驚くべきことに」注意すべき寄生虫は、ほぼアニサキスしか存在しない。
---アニサキスは、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。 アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。
---かろうじて、腸炎ビブリオが危ない (2000 年~ 10 件程度)。海水に近い3%食塩水の環境で増殖がもっとも盛んになり夏に感染しがち。海鮮物、特にカキ、カニ、エビに付着しているので、真水でよく洗うことが予防策になる。
--淡水には危険な寄生虫が非常に多くいる
---顎口虫: ライギョやブラックバスやヘビなどに幼虫が規制。犬・猫には最終的に成虫となり規制するが、人では成虫になれずに皮膚の下を食い破って移動する。臓器・脊椎・脳・眼球に侵入すると重度の障害につながる可能性がある。駆虫薬はあるが気軽に使えるものではない。
---肺吸虫: サワガニ・モクズガニに寄生している。貝→蟹→人の肺に寄生し、肝炎・腹膜炎・気胸・血痰などが現れる。脳に寄生する可能性もあり、最悪死亡する。
---肝吸虫: ウグイ・フナ・コイを食べると規制される可能性が有る。規制されると肝ジストマ症になり、多数に寄生されると胆管枝がふさがって慢性炎症を引き起こす。更に重症化すると肝硬変へとなるが、肝臓は沈黙の臓器なので症状がわかりにくい。プラジカンテルという駆虫薬がよく効く。
---横川吸虫: アユ・シラウオに寄生している。シラウオはこんな事情なのにも関わらず踊り食いで食べる文化があるので、日本の感染報告者数第二位の寄生虫。深刻な症状は現れないのであまり感染予防しなくていいかなってなっているらしい。
-淡水の魚介類の例
--マジで加熱しないといけないやつらの例: 白鮭・銀鮭・赤鮭(日本固有の鮭は淡水魚なので生食できない。キングサーモン・アトランティックサーモン・トラウトサーモンはほぼ養殖なので買ってきたら養殖だと思ってほぼ間違いない)、牡蠣 (養殖は食べても OK)、タラ、鱈の白子、ブラック・バス、鯉(鯉の洗いとして出されるものは養殖)、イワナ、鮎、ニジマス、ヤマメ、うなぎ、ウグイ、カジカ、ドジョウ、フナ、川えび、スジエビの他にテナガエビやミナミテナガエビ、サワガニやモクズガニ。
--(逆に、海水の金目鯛、ブリ、鈴木、まぐろ、アトランティスサーモン、メカジキなどは最悪雑菌や調理中の汚染を気にしなければ加熱用でも最悪刺し身で食べられる。やらないけど)
-人や動物の腸内にのみ生息するヒスタミン生成菌は、加工過程で魚の肉に入り込み、魚の肉のヒスチジンを毒性のあるヒスタミンに変換する
--カジキ・マグロ・ブリ・カツオ・イワシ・サンマ・アジ(前ほど多い)などがそれに該当する
--30 ~ 37 ℃で繁殖するので、冷蔵を徹底することが重要