[[FrontPage]] *概要 [#ce4709d6] -群論ちゃんと勉強しましょう *目次 [#xaed7423] #contents *用語 [#j6b1de4e] -位数 --有限群の元の個数 *疑問 [#zfa959b4] -$g^{-1} g' \in G \Leftrightarrow g' \in g_i G$ --p95。なんで。 *置換 [#f655dde0] -$\begin{pmatrix} a & b & c \\ a & c & b \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a & b & c \\ b & a & c \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a & b & c \\ c & a & b \end{pmatrix}$ --右上から、左に向かって参照していく -置換は非可換 -n次対称群=置換群=$\{a_1, ..., a_n\}$ の置換全体が作る群=$S_n$ --n次対称群の位数はn! -正6面体群=$P(6) \cong S_4$ --4本対角線を元として見ると、その回転により群をなす --群$G$と群$G'$が同型 $\Leftrightarrow \exists \phi \in Map(G, G')\ \phi(a b) = \phi(a) \phi(b)$ -互換 --2要素を交換する置換 --$\forall \sigma \in S_n\ $ $\sigma$は互換の積で表される $\Leftrightarrow$ $S_n$は互換によって生成される -偶置換・奇置換、偶置換がなす群$A_n$ --置換を互換に分解した時、必要な互換数の偶奇で、偶置換と奇置換が分類される --偶置換のみを取り出すと、群$A_n$になる(奇置換ではならない。なぜなら奇置換x奇置換=偶置換だから) --偶置換x奇置換=奇置換、といったように、mod 2っぽくなる *同値 [#h80cd29e] -''群Gと、Gの部分群Hが与えられているとする。'' --Hは、いい加減に取るのではなく、これ自体で群であることに注意。 -$a \sim b \Leftrightarrow \exists h \in H\ b = a h $ --例: $G$は整数群、$H_0$は3で割って0になるような整数群。すると$6 \sim 3$。同様に$H_1, H_2$も定義可能 -同値類$aH$(注意:これは集合である) --$aH = {ah | h \in H}$ --同値類には左右がある。元aが左に付いているものは、左同値類、右についているものは右同値類。 --$\forall s, t \in aH\ s \sim t$ -同値類による類別 --Gは、Hの元に$a_1=1$を作用させたもの、Hの元に$a_2$を作用させたもの、Hの元に$a_3$を作用させたもの…で類別できる。 --$G = \displaystyle \bigcup_a aH$ --何故か、$G = H + a_2 H + ...$と表記するらしい --重要: $|H| = |a_i H|$。理由は、$H$の元と$a_i H$の元は、一対一対応するから。 --従って、ラグランジュの定理として、|H|は|G|の約数であることがわかる。 *巡回群$R_n$ [#o884a81a] -$R_n$: 1->2->...->n->1->2->... みたいな群。これを巡回群という。 -巡回群は可換群。 -巡回部分群 --''有限群なら有限なので、単位元$e$以外のものをかけ続ければいつかはループする''というアイディアを数式化したもの。 --一般の群$G$に対して、$H={a, a^2, a^3, ...}$が巡回群Hであるとする ---「一般の」というのは重要。いつかはループする。 ---Hは「aから生成されたGの巡回部分群」といい、Hの位数を「aの位数」という ---位数という単語が、今confusingになりました!!つらい --定理: $a \in G$の位数は、$|G|$の約数。 ---例: $S_3$を考える。$S_3$の元の位数は、サイクルになりえる元の数なので、全パターンとりえて、1か2か3。ところで$|S_3| = 1*2*3$なのでそうですね。 --定理: $a^{|G|} = e$(上の定理から即導かれる) ---これすごい。群の位数の特徴付けとも言えるレベル。 ---任意の群Gで、任意の群Gの元を取ってきても、位数乗すると単位元に戻る! --定理: 群$G$の位数が素数$p$であるとすると、$G$は巡回群かつ単位元以外の元は全て位相$p$ ---位数$4$における反例: 位数$4$の群$G$には、単位元以外の全ての元の位数が$2$になる、「クラインの4元群」がある *整数と群 [#i35286cc] -整数$n$に関する余剰類$[i]$ --定義: $[i] = {..., i-n, i, i+n, ...}$ -定理: aとbが互いに素$\Leftrightarrow$ $\exists x, y \in \mathbb{Z}\ a x + b y = 1$ -「$n$と素な余剰類$[a]$」=「$n$の既約余剰類」 --要するに$a$と$n$が互いに素 --$n$が素数なら楽だが、そうでないと余剰類の数は限定される($n=6$だと、$[1], [5]$しか既約余剰類でない) -定理: $n$の既約余剰類全体$\mathbb{Z_n^*}$は、乗法によって可換群 -$\mathbb{Z_n^*}$の元の数 --定理: $|\mathbb{Z_p^*}|=p-1$, where $n=p$, $p$は素数 --定理: $\displaystyle|\mathbb{Z_p^*}|=p^k(1-\frac{1}{p})$, where $n=p^k$, $p$は素数 --定理: $\displaystyle|\mathbb{Z_p^*}|=p_1^{k_1}...p_s^{k_s}(1-\frac{1}{p_1})...(1-\frac{1}{p_s}) = \phi(n)$(オイラーの関数) -定理: $a \in \mathbb{Z_n^*}\ a^{\phi(n)} \equiv 1$ --群Gの任意の元aは、位数乗で単位元に戻ってくるのでそれはそう。 --フェルマーの小定理: $n=p$, $p$は素数の時、$\phi(n)=n-1$であることからフェルマーの小定理が確認できる *群の働き [#h66f1d07] -定義: 群$G$が集合$M$の上に働く $\Leftrightarrow$ $\forall g \in G\ g \in Map(M, M)$ $\land$ $\forall x \in M\ g_1(g_2(x)) = (g_1 g_2)(x)$ $\land$ $\forall x \in M\ g \in G g(x) = x$ --要するに、Gの元は全部、M->Mへの関数です。関数が群っぽくあって欲しいです。ということは、関数合成が結合的で、Gの単位元は恒等写像であって欲しいです。ということ --実は$g \in G$は、1対1写像!(重要) -逆に、群$G$を集合$M$の上に働かせるのに、定めるべきことは? --「全ての$g \in G$について、$\phi_g(h), where h \in M$を定義」すれば、群$G$が集合$M$の上に働くと言えるね -自分の上に働く --群GはGの上に右、左、両側から働く --$\phi_g(h) = gh, \psi_g(h) = h g^{-1}, \lambda_g(h)=g h g^{-1}$ -自分の上に働く、ということは、置換そのものである(有限群限定) --位数nの有限群の元${h_i} \in G$に、$g \in G$を左から働かせると、${g h_i}$となり、これは全て相異なのでこれは群$G$に一致 --どんな$g \in G$を働かせるかによって、どんな置換になるかが変わる。 --これを数式で表すと、Gが自分の上に働いている時、$\Phi \in Map(G, S_n)$が定義できる、ということになる。…★ --更に、$\Phi$は結合的である。 ---$g$を左から働かせたあとに、$g'$を左から働かせると、$\Phi(g' g) = \Phi(g') \Phi(g)$であることが分かる。 -両側からの働きは、可換性に関わりが強い。 --$\lambda_g(h) = ghg^{-1}$について、$\lambda_g(a) = a$となる元aの集合は可換な部分群となる。 -準同型写像 --「抽象的な群を、具体的な群の一部に映し出す」写像 --準同型写像は、一般には一対一ではない --写像$\Phi \in Map(G, G')$が$\Phi(\tilde{g} g) = \Phi(\tilde{g}) \Phi(g) \in G' (g, \tilde{g} \in G)$を満たすとき、$\Phi$は準同型写像 --$\Phi(e) = e', \Phi(g^{-1}) = \Phi(g)^{-1}$ --上の、★の例であれば、「位数nの有限群Gから、n次対称群$S_n$への準同型写像$\Phi$が存在する。$\Phi$は、Gの左からの働きによって引き起こされる」と言える。 -表現 --Gは抽象的な概念であったが、$S_n$という具体的な群に橋渡しされた。 --このことを表すために「Gから$S_n$への表現$\Phi$が与えられた」という。 --$\Phi$が一対一写像であるときは、「忠実な表現」であるという。 *軌道 [#n7514111] -G-軌道 --群Gが集合M上に働いている。 --$x \in M$のG-軌道を、$G(x) = {g(x) | g \in G}$と定義する --意味: gは、xに対して行いうる全ての変換。つまり、$G$が表す変換によって、移ることのできる元の集合ということ。 --当然、$y \notin G(x) \Leftarrow G(x) \cap G(y) = \phi$ --$\displaystyle M=\bigcup_\alpha G(x_\alpha)$と、互いに共通点のないG-軌道で分解できる -固定部分群$G_{x_0}$ --Gを作用させても、変化しないMの元がある(少なくともGの単位元はそう) --そのような場合、$g \in G$は$x_0 \in M$を止める、と言う --$x_0$を止める$g \in G$全体は、Gの部分群をなす。これを$x_0$の固定部分群と呼ぶ。 -固定部分群、余剰類、G-軌道の関係 --$x_0$のG-軌道と、Gの$G_{x_0}$による左余剰類による集合とが1対1対応する --固定部分群$G_{x_0}={x_0, ..., x_{s-1}}$について、$x_i = g_i(x_0) = g_i'(x_0)$なる2つのGの元を選ぶ --$g_i^{-1} g_i' = x_0 \in G_{x_0}$なので、$g_i' \in g_i G_{x_0}$。$g_i$と$g_i'$は$G_{x_0}$の同じ左余剰類に属している! --余剰類が得られたので、Gを分解することが出来る。$G=G_{x_0} + g_1 G_{x_0} + ... + g_{s-1} G_{x_0}$ --ここで、$g \in G_i \Leftrightarrow g(x_0) = x_i$となり、$x_0$のG-軌道と、Gの$G_{x_0}$による左余剰類による集合とが1対1対応する(???) --これは有限群ではなく、一般の群で成り立つ --特に有限群の場合は、余剰群の定理から$|G|=|G_{x_0}| |G(x_0)|$ ---コーシーの定理: 有限群$G$, $p$は素数、$p$は$|G|$の約数。この時、$g \in G$で位数がpのものが存在する。 ---この証明は、軌道をうまく使っていて面白い *中心 [#ge09ad16] -$G$の中心$Z$: $G$の全ての元と可換になるような元全体で構成されるGの部分群 --$Z = {g | \forall h \in G\ gh = hg}$ -$|G|=p^m (p: prime)$ならば、$Z$は$e$以外を含む -$x \in Z \Leftrightarrow$ 群G自身の両側からの働き$\lambda_g$による$x$のG-軌道が$x$のみ --群G自身の両側からの働き$\lambda_g$による$x$のG-軌道が$x$のみ $\Leftrightarrow \forall g \in G\ \lambda_g(x) = x \Leftrightarrow \forall g \in G\ gxg^{-1} = x \Leftrightarrow \forall g \in G\ gx= xg \Leftrightarrow x \in Z$ -群$G$の位数が、素数$p$で割り切れるとし、$p$の最大冪を$p^m$とする。この時、Gには位数$p^m$の部分群が存在する。 --位数$108=2^3 3^3$なら、4と27の部分群が存在する。 --このような群はシロー群と呼ばれる。$|G| = p^m l (p: prime, p, l : coprime) $の時、位数$p^m$のGの部分群をGのp-シロー群と呼ぶ ---p-シロー群は1つとは限らず、1つ以上あるならば、その個数は$1+kp$である。 ---また、p-シロー群は互いに共役である。 *位数の低い群 [#tc988bb1] -群の直積: 群G, Hに、$G \times H = {(g, h) | g \in G, h \in H}$に対して、演算$(g, h) \cdot (g', g') = (g g' , h h')$ --位数は$|G\times H| = |G| |H|$ -巡回群$Z_m, Z_n$について、$Z_n \times Z_m$は$n, m: coprime$の時に巡回群$Z_{nm}$ -なんか一般性がなさそうなのでここは飛ばす *共役類 [#ic6fa5ad] -自分自身の上への両側からの働き$\lambda_g(h) = ghg^{-1}$のG-軌道を考える。 -$a \in G$のG-軌道を、共役類$C(a)$と呼び、共役類の元を$a$に共役な元と呼ぶ。 --$b \in C(a) \Leftrightarrow \exists g \in G\ b = g a g^{-1}$ -両側からの働きの性質から、$C(a) = {a} \Leftrightarrow a \in Z$ -中心化群: 元$\tilde{a}$と可換な元全体 --$C_{\tilde{a}} = {g | g \tilde{a} = \tilde{a} g}$ -$|G|=|C_\tilde{a}| |C(\tilde{a})|$ -$S_7$の共役類 --対称群は、巡回置換の積で表される。この積は可換である。 --実は、$S_7$の共役類は、巡回群の積で表記した時に、単に名前を$k \rightarrow i_k$と変えるだけで表される --$\sigma = (1 3)(2 4)(5 6 7)$, $\tau = \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 \\ i_1 & i_2 & i_3 & i_4 & i_5 & i_6 & i_7\end{pmatrix}$, $\tau \sigma \tau^{-1} = (i_1 i_3)(i_2 i_4)(i_5 i_6 i_7)$ *共役な部分群と正規部分群 [#if9b11a1] -Gの部分群全体の作る集合を$\mathfrak{M}$とする(冪集合みたいなやつ) -$G$は$\mathfrak{M}$にも働く!$g: H \Rightarrow g H g^{-1}$で、$g$は$Map(G, \mathfrak{M})$の元である。 *準同型 [#da73d825] -[[群の準同型の例を3つ示せ。また、それらの像および核を求めよ>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1027157305]] *具体的な応用 [#wf081815] -http://www.prefield.com/algorithm/dp/money_change.html 「準同型ほにゃららによって達成できる」かっこ良すぎる -H が G の正規部分群であることを、H ◁ G と書く. aHとかHaとかって、要するにHの要素全部にaをかけただけの集合 H/Xとかは?集合Hxが同じになることがあるので、[x]で代表している。並進対称の格子だと、単位格子の中のものにΓをかけるだけで、Γxを代表できている! *興味 [#tbcbb02f] -保型形式、面白そう。 http://tsujimotter.hatenablog.com/entry/fundamental-domain-game |