概要

  • ポスター発表で気をつけるべきことなど.

参考文献

発表時準備すること

  • 名刺
  • 論文
    • ポスター発表のみでも
  • ポスターのA4版
  • ビデオ
  • ビデオカメラ

ポスター製作

ポスターの方向性

  • ポスターはそれを前にして説明ができなければならない.
    • ポスターの論理だけではなく,ポスターを前にして何をしたいかを意識する.
  • 「誰に」「何を伝えて」「何を見返りとして欲しいか」を考える.
    • その後,要求仕様を決める.
    • 何が内容として盛り込まれている必要があるか,どういう形式を取るべきか,
    • それにあった文脈のポスターと台本を考える.

ポスターの台本(10s)

  • 研究でやったことを端的にバシッと述べる.

ポスターの台本(30s)

  • 観客を引き止めるための30秒.
    • 全く知らない人に伝えることを想定して,まずしゃべってみることが大事
  • 観客の求めていることだけに重み付けしたアブスト.
    • 「背景・手法のコンセプト・結果」や「興味・手法のコンセプト・結果・展望」でまとめる.
    • 分量は,背景<<結果でまとめる(背景をだらだら喋っても意味ない)
  • キーワードを必要十分に盛り込む.
    • なるべく短く,単語で.キーワードで重要なところを抑える.
    • できなければ文でも良いが,なるべく短く.
      • 「〜はーにとって…と…が区別できず不十分な精度である」→「〜はーするには粗すぎる.」
  • 精密に書こうとし過ぎてはいけない.
    • のっぺりとしてしまう.面白い部分を端的に述べなければならない.
    • ポスターの台本はアブストそのものではない.精密なことはポスターに書いてあるし,あとで言えば良い.
  • これから説明することを先に言及する
    • 相手の頭に論理構造の骨組みを構成できる.口頭発表では特に,強力.
    • 「わかったことは2つあります.1つ目は〜.2つ目は〜.」
    • 「わかったことは2つあります.〜と...です.」
    • 「これから手法を説明します.」(精密な発表時)
  • こんな感じ
    • 「この研究で特に面白いのは,これとこれ(どや」(簡潔の畳み掛け)
    • 「〜と〜はやられてないからやった(どや.」(新規性)
    • 「普通はこう考えられていたが,こうだったのがすごい(どや」(対立仮説を持ち出す)
    • 「今まではこれしかできなかったが,これも出来るようになったのがすごい(どや」(質的変化,画像認識で犬の認識から犬の種類の認識への移行など,素人目でも分かる)

台本の確認

  • 喋ってみる.超重要.
    • 喋ってみると,どの情報が足りないのかが明確にわかる.
  • 文章の作り方?参照

精密なストーリー

演繹される性質

  • 目的:一読して伝わらなくなるので,「従来手法を超えた〜を」みたいなのはありえない.
    • 目的は研究上の目的より少し抽象度を上げて,伝わるようにしないと意味がない.先行研究との具体的な差分ではなく,それの意味にみんなは興味がある.
    • 穴がなかったので掘りました,ではだめ

ストーリーの大枠

  • 研究自体のストーリーの大枠は,常に「背景→先行研究→目的→手法→実験→結果→結論」.
  • 局所的な面白いストーリーは,社会的学術的に重要な課題の関係性の記述から生まれる.
  • TIPS: 〜の部分問題として…というのは良くない.まだやっていないことに依存するのではなく,それ自体がストーリーとなっていたほうが良いから?

使える情報

  • 目的で使う情報
    • タイトル,先行研究
  • 結論で使う情報話し言葉
    • タイトル,方法,考察考察

関係の記述

  1. 【論理】的に繋げる.
    • 論理はコンパクトにまとめるときに便利.
    • だが,それだけでは角がなくのっぺりとしており、ふーんとなる
  2. 【網羅】的にIFを列挙
  3. 【整理】を長短や性質について行う
  4. 【抽象度】の同一性
    • 重要な問題との関係を述べる
  5. 【論理抜け】の存在の認識も,展望や背景のレベルでは関係になる
    • 論理的な穴や,まだやっていない穴,まだ調べていない穴があってもいい.それを認識していることを言えば,網羅的に考えていることを主張できる.
    • あまりに穴だらけなのは良くない.

ストーリーの確認

  • 他の人の発表だと思って,指摘モードで論理を見る.
    • 「なんでそうしたの?そうした必然性は?」とか.
  • 従来研究の問題点までで,その後どういう研究をするのかがわかるのが良い発表
  • 抽象と具体がわかれているか.抽象→具体の順番で述べられているか.
  • 言葉が足りていなかったりしないか.

形式的な拘束

  • 背景と目的
    • 社会的背景は除外
  • 方法に仮説を明示し,それを検証するための戦略を書く.
    • その道具だてとしての方法を記述.
  • 実験&結果
    • 小結果のタイトルは,考察をキャッチーにしたもの.
    • 小結果の内容は,「目的&方法,結果,考察」が明らかになるように
  • 結論
    • 目的に対応してかつ考察を要約したもの
    • 結論の下には考察を適当な粒度で記述.
    • 質的に違うことを同じ内容に突っ込むときは,目的の方がより広範になる.そうでなければ,目的と同じレベルの対応を取る.
  • Tipsは別色で囲んで説明(赤ちゃんロボット,正準相関分析,運動カップリングなど.)

個別の抽出

y先輩(ASSC2013)

  • ブロックはきちんと左右を揃える.
  • Abst
    • 文字いっぱい.自分がいない時にも読んでもらえるように?
  • Intro
    • (-言う事 --言う事論拠1 --言う事論拠2)x2→ (-Problems (1) 問題1 (2) 問題2)→目的
  • Method and Materials
    • 図をいっぱい貼って,その説明を文字で突っ込みまくる感じ.文章は一切使っていない.
  • Experiment and Results
    • 一番上に結果を文章で箇条書きにする.箇条書きにした部分は,色付き背景で強調.
    • 論拠となるデータを下に配置して,上から下を参照するように促している!
  • Conclusion
    • 簡潔な文章で箇条書き.

y先輩(BrainMindWorkshop2013)

  • 背景&目的
    • 目的のできていない部分を図示し,未知の部分に?マークをつけている.
    • 「背景」などの字の右側に?に相当する目的を書くことで,省スペースかつ目的を上に配置している.
  • 方法も,概要を文字で説明している.
  • 結果
    • 実験方法,評価方法,結果にわかれている.
    • 結果は6つあるのか?色分けの基準はその接地の粒度なのだろうか?

y先輩(akachan2012)

  • intro
    • 箇条書きで先行研究説明,目的(色付き背景強調)
  • method
    • 仮説先ありき,(色付き背景強調), セットアップ.図メインで,単語と文章で説明.
  • Experiment and result
    • 三つあるので,三段落.それぞれに「目的・方法,結果,考察」がついている.
  • Conclusion
    • 全体の結論→結果3つ

フラットデザイン

  • 参考
  • 質感や立体感のない平面的なデザインのこと.
  • Skeuomorphismと対義
  • スキュアモーフィズムとの対比
    • 本質的ではない装飾的部分をそぎ落とすことができる.
    • 装飾が文字で置き換えられる
    • 英語と相性がいい(日本語は文字そのものが複雑で合っていない)
  • 実際的な特長
    • 1カラム+グリッド(色を変えてコンテンツの違いを表現)が多い
    • 写真やグラデーションが映える
    • フラットな状態から情報を足して,ユーザの満足するものにあわせていく,というスタイル
    • リアリズムをスキュアモーフィズム以外で埋める→文章が多くなる
  • WebPageのフラットデザイン,
  • 特徴
    1. vividな色を利用する
    2. アイコンを使わない
    3. グラデーションは使わない
    4. 影を付けない
    5. 背景画像を使う
    6. 文字の大きさや濃さで階層構造を表現する
  • 学会ポスター
    • http://blog-imgs-47-origin.fc2.com/d/i/d/did2/IEEE_P2P_2011_Poster_RoutingVisualizer_500KB.png

伝わるデザイン

レイアウト

  • 参考
  • 全部を「揃える」
    • センタリングは1文1画像の時に,しかも限定的に効果的,難しい.
  • センタリングではなく「左揃え」
  • 情報を「まとめる」
    • 論文はfig.2とかで参照させるが,ポスターは文字と画像の距離などで結びつきを表現
    • 他の情報に比べて,相対的に近く
    • 囲わなくて済むなら,囲わない.
    • 「色でグループ化」することもできる.
  • スペースをうまく使う
    • 情報の階層構造をスペースの量で表現
    • 全体的にきつきつにならないように,枠ぎりぎりには配置しない.
    • 枠と文字は別に作る.テキストボックスに色をつけるのはNG
  • 強調の方法
    • 色をつける(かなり目立つ)
    • 太い文字をうまく使う.
    • 大きい文字をうまく使う.
    • 書体変更
    • 下線,I字見出し,L字見出し
    • 斜体(英字のみ)
    • (3つ以上の併用はごちゃごちゃする)
    • 明朝体の文章での強調箇所にはゴシック体(文章内の重要な単語限定)
  • 強調で十分構造がわかるなら,段を作る必要はない.
  • (パソコンより自分の目で合わせる方が良いこともある)
  • タイトルの真上,真横に内容を書かない
    • 真横は良くね?

色彩と配色

  • コントラストをきちんと確保する.
  • 明度が同じ色を背景と文字などに使わない.(使うとハレーション現象というチカチカを引き起こす)
  • 色を必要以上に使わない

文字の枠の付け方

  • 同じ文字を2つにコピー.
  • 一つを加工して枠をつける.それにもうひとつを載せて,合わせる.

グラフは凡例をなくしてより直感的に

  • 凡例書くなら,色をあわせてグラフの隣に併記したほうが良かったりする.
  • 円グラフも.
  • 論理的に複雑な情報は図解して,矢印,ベン図などでわかりやすく.

文字と文章

  • 数字は大きく,単位は小さく
    • 数字は色をつけてもいいかもしれない.
  • 和文にはなるべく全角の記号を使う
  • ( )の代わりに「|」(縦棒)を使う
    • カッコは格好悪い.
  • コロンなどの記号もなくせるときはなくす
    • コロンの簡潔な方を見出しにしてしまうなど.

図の綺麗に仕方

  • 具体的な編集方法も書いてある.http://tsutawarudesign.web.fc2.com/kakkoyoku2.html
  • 色は対比するが,赤と青,薄い青と濃い青,などの対比があり得る.
  • 列数が多い表では,一列ごとに背景の色を変えるなどの工夫もあり得る.
  • 引き出し線は細く規則正しく.

図形と挿絵

  • 塗りと線の両方に色を付けない.http://tsutawarudesign.web.fc2.com/kakkoyoku3.html
  • 異なる種類の図形の併用をなるべく避ける
    • 思ったよりも,かなり統一感が失われる.
  • 楕円を使わない.
    • 中に書いてあるものによって印象が大きく異なる
    • ちゃんと文字をかこうことができない
    • 四角で代用すべき
  • 四角のカドのrは統一
    • 楕円に近いと汚くなるので,そんなにrがタテヨコに比べて大きくなりすぎないように
  • 矢印の先や,吹き出しの尖ったところの大きさも揃える
  • 矢印は元のオブジェクトの背景色と同一に.
    • あまり目立ちすぎないように.
  • あまり丸みと枠をつけすぎない!
  • スライド間で統一感のあるデザインにする

配色

  • 使う色は4色まで.テーマ色を事前に決める.
    • 背景白,文字黒,メイン緑,強調赤
    • 背景黒,文字白,メイン黄,強調橙
  • 3色で作るとフラットになってシンプルで見やすいものになる.強調を太文字などで行う.
  • 彩度下げる.
    • 目に優しく.
  • 黒は真っ黒より少し灰色目の方が綺麗.

その他

  • アイキャッチャー
    • 大きめなタイトル,目立ちめなロゴなど.
  • 図の配置がしっくりこない時
    • 境界が曖昧な画像に灰色背景などの四角で囲う.
  • 色の使い方
    • 色を使うか,色合いに意味がなければ,灰色を使う.
    • 具体例
      • 枠なし+単色+白色文字
      • 灰色枠+白背景+灰色文字
      • 枠なし+灰色背景+白文字

発表時の注意

  • ポスター発表は対話的.
  • 初めに10秒で何をする研究かを説明して,その後具体的な方法に入っていく.
    • 3秒→30秒→3分,などと言われる.
  • なるべく,多くの聴衆を作るようにする.
    • 「一人ばかりしゃべっている場合」
      • すみません,後ろの方見えます?
  • ちょっと興味を持っていそうな場合
    • 「よろしければ説明しましょうか?」

トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS